顧問からのメッセージ [ Back ] | ||
![]() 「世界と僕は戦っている きっと世界が勝つだろう
僕に味方はいるのだろうか・・・」 6月。鳳凰祭。3学年が揃って活動できる最初で最後の大舞台で、この『また、あした』をメインテーマにミュージカルを創ることにした。鳳凰祭では全校生徒が見てくれるということもあり、明るく、楽しく、笑いのあるステージを目指し毎年取り組んでいるが、今年もまた、試行錯誤、歌やセリフ、踊りを時間の無い中でやりくりをし、やっと舞台にのせることができた。当日、パッとスポットライトを浴びると、部員一同はそれぞれの個性を発揮し、無事に幕を下ろすことができた。最後の場面を堂々と歌い、踊っている生徒たちの表情ははつらつとし、ひとつのことをやり遂げた充実感に満ち溢れていた。 初夏を迎える頃3年生は引退し、1,2年による活動はNHKコンクール、全日本合唱コンクールと、コンクールが中心となる。芸術棟改築のため活動場所の確保もままならず、なかなか練習のはかどらなかった。駐輪場で練習したり、文化ホールの練習室を借りたりと、今までに味わったことの無い部活運営に頭を悩ませたことも忘れることができない。こんな状態で練習を重ねていく中で、非情にもコンクール当日を迎えることになった。結果は満足のいくものではなかったが、練習の過程で、一人一人の生徒と音楽を媒介とし、本音で語り、心のふれあいができたことは大きな収穫であった。 そしてまた、今年も芸術文化祭が近づいてきた。数年前、「表情豊かな合唱団。僕が指揮を振りたくなりました。」と審査員が言われた言葉は、甲府西高音楽部をはじめて指揮した私にとって心の大きな支えとなっている。放課後になると三々五々ではあるが必ず集まってくる生徒たちはこの芸術文化祭でさらに部員同士の絆を深め、よりよい音楽づくりをしていくに違いない。生徒と共に感動する日々を過ごせることは教師としての最大の喜びである。「疲れたらお休み また あした」で歌詞は閉じられる。私も私たちに心でこう呟きながら、翌日はまた「やまんば!」といわれる練習を続けるのである。 1998年10月 甲府西高等学校音楽部顧問 渡辺玲子 |
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